バタリーケージ飼育

常陸大宮さんちと関わりのある養鶏農家では、鶏が鶏舎と外を行ったり来たり、餌の米ぬかや野菜を食べ、虫も自分で取って食べ、ミネラルを含む土も食べます。

ダニや寄生虫を落とすために砂浴びをしたり、日光浴をしたり、そんな微笑ましい光景です。

 

しかし、多くの現実は違っていました。

日本の食卓に並ぶ卵の9割以上は、バタリーケージと呼ばれるケージ飼育の卵なのです。

ある人は、バタリーケージ飼育を「鶏の本能、欲求、習性、尊厳、すべてを奪う」と言っています。

 

バタリーケージ飼育

 

窓のない鶏舎の狭いケージ。一つのケージに何羽も入れる業者もいれば、身動きの取れない1羽または2羽ごとのケージに入れて拘束して飼育する業者もいます。地面と前後は金網、左右の壁と天井は鉄でできています。

 

朝、薄暗い電気がつき、彼女たちは餌を突き始めます

狭いケージの中で羽ばたこうとした鶏は、羽を何度も何度も骨折し、伸び切った爪がケージに挟まり、足も脱臼したり骨折したりします。

夜は本来止まり木で眠りますが、ここでは細い金網の上で眠るしかありません。

 

ケージの中では鶏たちの本来の免疫機能が機能しません。

生まれてすぐにあらゆる種類のワクチンが打たれ、雛の間は抗生物質・合成抗菌剤も飼料添加物として投与されるそう。

砂浴びで寄生虫を落とすことができないため、月に一度、殺虫剤を噴射され、びしょ濡れに。体が冷えショックで死んでしまう鶏も。さらには殺虫剤がかかった卵を出荷する農家も。

 

※ より詳しくは「バタリーケージ」で検索を。

 

生産者のHPとInstagram

バタリーケージ飼育と思われる養鶏農家(企業)のHPに、ケージの写真を大きく使っている企業はありません。

Instagramでは、より顕著に違いが出ます。

放し飼い・平飼いの養鶏農家では鶏の写真が度々登場し、一方でバタリーケージ飼育の養鶏農家では鶏の写真はまったくないといってもいいでしょう。卵の写真や、卵料理の写真ばかりです。

 

バタリーケージ飼育は多くの人にとって受け入れ難いものであると、養鶏農家自身も気付いています。

 

自然・命と向き合い、心を養う

 

田舎は食料の生産地であり、それは命と向き合う場所ということ。

牛の飼育や魚の養殖も、バタリーケージとは違いますが、「食べるために生かしている」という意味では同じです。

農業も化学肥料で野菜を太らせますし、虫を殺す農薬だってかけます。いわゆる植物の飼育です。

何が許されて何が許されないのか。命に対する倫理観は、考え出すと答えのない袋小路に迷い込んでしまうもの。

 

新型コロナウイルスも、もとは自然界からやってきたもの。世界的流行を受けて、今後の人間と自然との関係に何か影響を与えるかもしれません。

常陸大宮さんちでは、自然・命と向き合うことを根幹に据え、これからも活動していきます。