加工食品がやっとのことで始められました

あけましておめでとうございます。

常陸大宮さんち農園の農園主の間瀬邦生です。今年もよろしくお願いします。

 

さて、一昨年の話。「ナスをブランディングするためのクラウドファンディング」を行い、皆さまの支援で加工施設を作りました。昨年夏には加工食品の販売を開始したかったのですが、結果として、昨年一年は動き出すことができませんでした。

 

動き出せなかった理由は、(完全に言い訳です…)4~5月は新型コロナウイルスで活動がストップしました。6~7月は大切な仲間の農場がピンチになり、連日手伝いに行っていました。そうしているうちに、9月末にはサツマイモの収穫が始まりました。10~11月は連日の収穫作業。12月はお歳暮用の干しいも作りで忙殺される日々。あっという間に1年が過ぎてしまいました。

すべて私の力不足。誠に申し訳ありません!

 

で・す・が、今やっと動き出すことができました!

季節の都合上、ナスではなく、サツマイモの加工食品からの開始となりました。今回は、そのご報告をさせていただきます!

 

加工する食品の種類『そうざいから菓子へ』

 

1つの調理場で申請できる加工食品は1種類だけ。

①魚介類販売業②乳類販売業③食肉販売業④そうざい・弁当類販売業⑤菓子製造業⑥アイスクリーム類製造業⑦めん類製造業、の7種類から1種類だけ。

以前の私はこの点が勉強不足であり、複数種類の加工食品が同一工場で作れると思っていました。

 

クラウドファンディングのとき、「ナスのそうざい」を商品化する予定でしたが、これについては変更することにしました。そうざいだと調味料・その他食材も多く必要になることから、本来の目的である余剰野菜を多く使用できないことが理由です。

より多くの余剰野菜の消費のため、使う野菜はサツマイモ。申請する加工食品は「菓子」にすることにしました。

 

ナスに関しては、既に別の加工施設で許可を取っている「乾燥野菜」での「干しナス」にのみ力を入れます。そして他の野菜も乾燥野菜として推進する形で、進めていこうと思います。

この変更に関しましても支援者の皆さまにお詫び申し上げます。すべて私の勉強不足のせいです。

 

イモケンピの試作

自農園のサツマイモを使ってイモケンピを作りました。原料に余剰野菜をほぼ100%使えるお菓子です。

 

まずは、サツマイモのカットから。揚げ加減を揃えるため、均一にカットする必要があります。人の手だとどうしてもサイズがバラバラになってしまいます。

そのための外国製のポテトカッターを購入しました

 

選びに選んだ調理器具のつもりでしたが・・・。

 

残念ながら役に立ちませんでした。

綺麗に切れるのはジャガイモ程度の硬さ。サツマイモには刃が通りません。

 

仕方ないので、包丁で。

均一にカットするのが難しかったです。

 

次に揚げ作業。

卓上フライヤーです。家庭用ですが、4リットルの大型です。

 

大型ということで期待していたのですが、予想以上にイモが入りません。1回に250gくらいが限界のようです。まさかこれだけとは。

キツネ色になるまで15分かかります。一時間だと1000g揚げられる計算です。

そして取扱説明書には定格使用時間30分との記載がありました。定格使用時間とは1時間に使用できる時間のこと。つまり、このフライヤーは1時間のうち30分しか使用できず、残り30分は機械の冷却時間ということ。とすると一時間で揚げられるのは500g。

う~ん、最初はお客さまの反応を見る試験的商品化だとしても、この量だとちょっときついです。

 

 

今日の目的は、調理器具と能力試しと、砂糖の加減の調整。

砂糖なしの素揚げイモケンピも作ってみましたが、ヘルシーで良さそう。

 

最後に袋詰め。これでラベルを貼れば、一応は商品です。

たったこれだけのところに到達するのに半年以上も…。何とも長い時間をかけてしまいました。

 

ナスからサツマイモへ。サツマイモでも調理器具が予想通りの活躍をしてくれず。つまづいてばかりの道のりでした。

 

次の課題

まずは、普通のレベルの商品を作れるかどうかというところ。火の通りを均一にするところが一番大切で、カットが均一にできれば、ほぼ解決。

次に、お客さまの反響を見ます。高望みはせず、普通の評価を得られれば及第点。

その先の、最後に進む道は2つあると思われます。

1つの道はその商品を、どれだけ安い価格で提供できるか。つまりは生産性の向上ですね。短い時間で多くの商品を作り、価格を低く抑え、安い価格で販売すること。大手イモケンピ工場が持っているような大型機械の導入を迫られることになるでしょう。

もう1つの道は、特色のある商品を作る。つまりは、どれだけ個性のある商品に仕上げるか。

 

まだまだ先は長いですが、少しずつ経験を積んでいきたいと思います。

それが農家の未来を作ると信じて。