今年のサツマイモの収穫が終わりました
今日は、当農園の今年のサツマイモ栽培を振り返ります。
農家4年目を迎え、順調に耕地面積を増やすことができていました。今年は、約2町の栽培予定でスタートしました。
当初は過去最大の面積ということで意気揚々としていたでしょう。
しかし、調子の良いときにこそ落とし穴が…。
というところで、まずは就農から3年間を振り返って。
そして次に今年4年目を振り返って。
就農から3年間
脱サラ就農し、未経験の農業をスタートしました。
1年目は、農家としても、個人事業主としても、初めてのことばかりの連続で、心身ともに疲れきっていたと思います。
それでも2年目には、1年目の経験を活かし、優先度の高い作業から機械化していきました。
効率化と機械化で3年間は順調に拡大し続けることができ、
サツマイモ作付け面積:5反(1年目) → 12反(3年目)
干しいも生産:380kg(1年目) → 548kg(3年目)
というように増産。
次第に段取りも良くなり、楽に作業をこなせるようになっていきました。
サツマイモの苗作りも行えるようになりました。
農機も一通り揃いました。
社会人になりたての頃、「どんなに辛くても何とか3年間続けることが重要」と言われたのを思い出します。3年間続けられたことは大きな自信に繋がりました。
3年目までは、大きな失敗もなく順調だったと言えます。
4年目の今年
自信をつけた今年、そこに落とし穴が待っていました。大きな失敗を3つ犯してしまったのです。
失敗① 基腐病
(基腐病発症の株)
基腐病とは、糸状菌によって引きこされる病害で、サツマイモに深刻な被害をもたらす病気です。九州地方での被害は深刻で、国を挙げて対策を練っている病気と言っても過言ではありません。
育苗ハウスで、その病気が発生してしまいました。
県の指導により、当初の予定していた畑の半数が使えなくなります。
失敗② 粘土質の土壌
(掘り取り機が外れる)
(形状の悪いイモ)
栽培面積の拡大にあたり、新しい畑を借りました。それがサツマイモに合わない粘土質の土壌。機械に土が詰まってしまったり、できるイモの形状が悪かったり。赤字の畑になってしまいました。
失敗③ つるボケ
(つるボケの畑)
サツマイモは、肥料を与えすぎると、地上部のつるだけ育ち、地下部のイモがまったく肥大しない「つるボケ」という現象が起きます。
基腐病の発生により苗の入手が大幅に遅れた今年は、1か月ほど遅く苗を移植しました。生育期間が遅いのを考慮し、肥料を多めに与えたところ、逆効果でイモがまったく肥大しないつるボケに。
これはプロとしてはとても恥ずかしい失態。サツマイモのつるボケはまさに素人レベルです。
という大きな失敗を3つ。
でも、前向きに捉えれば貴重な勉強・経験。
自分の農園が安定してこそ
地域おこしに力を注ぐためにも、自分の農園を安定させなければいけません。
加工食品に進出するためにも、自分の農園で良い農産物を生産する必要があります。
農業はすべての基礎。
基礎を疎かにしてはいけませんよね。来年は耕地面積の拡大路線をちょっとやめて、丁寧に畑と向き合おうと思っています。